上手な指圧とは

指圧がうまくいくための重要な条件は、指圧をする側と受け入れる側の息が合うことである。普通は指圧をする側の上手下手が問題にされることが多いが、実は指圧を受ける側にも上手下手がある。指圧の上手な受け方というのは、からだをリラックスして緩めることである。
これは具体的には、指圧に合わせて息を吐く技術である。指圧の圧がかかってくるのに合わせて息を少しずつ吐いてからだを緩めていくと、指が深くからだに入り込んでくる。その指がツボに入っていた場合には、その押されている箇所だけでなく、他のところにまでじーんとした「響き」が伝わる。こうしたツボにはまった響きのある指圧は、指圧が終わった後もしばらくその響きの感触が持続する。押されるときに反射的に息を詰めて息を固くする構えをとってしまうと、せっかくの圧がからだに響いていかない。受け手が上手に息を吐くことによって、指圧をする側と受ける側との間に一体感が生まれる。