この土曜日、久しぶりに尺八の授業をやりました。マルセイユに住んでいる指圧師のエマニュエル君がストの中、めげずにやってきました。
前にマルセイユでついていた先生が辞めてしまったとかで、どうしても尺八が好きなので、続けたいということです。少し吹いてもらうと、ほぼ初心者です。ロツレチハの乙はでるのですが、甲はまだむずかしいようです。
この場合はこの部分をクリアしないと、なかなか前に進めません。ですが、この正しい音を出すというのは尺八の場合は息を吹く単純作業ということでありますので、自分の時間で努力をしてもらうことにして、その点を指摘して、練習譜を一番最初からやっていきます。
彼はマルセイユに住んでおり、そうちょくちょく練習にも来れない様子。話を聞いていると、尺八の音楽をよく聞いていて、大好きであり、続けるという意思があるようです。そんなことも考えて、今回は個人での練習の方法とその際の注意点にフォーカスを絞ったかたちで授業をすすめてみました。
進め方としては、狩谷先生の授業の進め方をそのまま受け継いでいる感じです。
いちフレーズごとにまず僕が吹き、その後彼がそれを再現するような意味で繰り返します。これが第一ステップ。
その後に、まったく同じ部分を二人で同時に吹きます。これは第二ステップ。
そして、そのレベルが高く聞かせるだけよくなってきたら、第二奏者もつけて、本番と同じ形で演奏をします。これが第三ステップとなるわけです。彼の現在のレベルでは第一と第二だけなのですが、そういう段階ごとに練習段階を明確化するというのはいいことだと思われます。
あと、きちんと拍子をとることの大切さ。これもなかなか、音を出し始めの頃は音程を出すのに気をとられてそこまで気が回らないということもあるようです。
練習譜が終わったら、その次、いよいよ最初の一曲目から練習を始めるわけですが、僕など年齢がいってから始めたので、随分練習譜だけでも時間がかかったのを覚えています、
で、最初の一曲はクラシックにやはり、練習曲第一番、ということで、僕の演奏で聞いてもらいました。この尺八をすぐに近くで聞くというのはなかなか無い経験で、僕も先生の横で聞いているときはうっとりと聞き惚れてしまいます。その楽器のまなの音を聞くというのはとても大切なことだと思われます。
そんなこんなで一時間の練習時間はあっという間に過ぎてきまいました。パリは年金改革に反するストで、交通機関がマヒした状態、そんな中やってきてくれて、どうもありがとう、エマニュエル君。
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